P-vine records / pcd-18516/18517 / 2枚組CD /2007年10月5日リリース
オリジナルLP 1975年リリース
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ARCHIVES FROM THE ORIGINAL ALBUM 01. きかいのうた02. ジャンプ 03. いつも 04. くものなか 05. とんでけ 06. まどあけて 07. ながされて 08. きせつのうた 09. タイム・トラベリンマン(Parts I & II)
DRUMS-HIGE | |
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LIVE PERFORMANCES BY PRE-FRICTION 01. いつも02. いよいよ 03. Femme Fatale 04. Sweet Time 05. Go Go Baby 06. All Day And All Of The Night 07. きかいのうた 08. Johnny 09. Pistol 10. Crazy Dream 11. かがやき 12. Vicious 13. I Can Tell 14. せなかのコード
DRUMS-HIGE |
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言わずと知れたフリクションの前身。
オリジナルのプレス枚数は10枚とも50枚とも言われた幻のアルバムに未発表曲を追加し
更にDisc-2にはフリクション史を塗り替える資料的価値のあるライヴ録音で占められ
歌詞カードやポスターの復刻、充実したブックレットで大変に楽しめる最良質なリイシュー!。
レック、ヒゲ、ヒゴヒロシのトリオで録音されたスタジオ盤(DISC-1)は
当時ニューミュージックマガジンでも、軽くレヴューされたとおりジミヘン・マナーのハード・ロックで
確かに前時代的な冗長さがあるもののサイケデリックから通底する
アンダーグラウンドに蠢くソリッドなロックンロール・スピリッツが息づいた
密かに世界的にも存在したプレ=パンクと同質の匂いが東京にも存在していたと言えよう。
とはいえあまりにフリクションを期待すると肩すかしを食らうかも知れないのもまた事実。
あくまでその当時のアンダーグラウンドなロックンロール・バンドの記録であり
特にプロデュースもされてないので、その生々しさを味わいつつ
爆発を予感させるエナジーを内包した、その当時を想像しながら接していくのが良かろう。
「きかいのうた」は後に「CYCLE DANCE」へ、「くものなか」は「AUTOMATIC FRU.」へと歌詞が流用され
また未発表曲(というかLP時には入ってなかった)ジミヘンの「FOXY LADY」風な「きせつのうた」は
3/3以前から(BLOW UPか?)存在していたようでもある。
DISC-2は「LIVE PERFORMANCES BY PRE-FRICTION」と題されていることから
あえてフリクションへと直接的な繋がりが見いだせる録音を選んだと思われる。
結果、3/3の最末期音源に絞られ
ここにはスタジオ作の3人に加え、後にヒゴとともにミラーズを結成する安藤が参加し4人編成となり
基本的音楽性は変わらないもののソリッドさとスピード感が増し、パンクへ呼応しようとしていたことが窺える。
ここでも「いよいよ」には「CRAZY DREAM」という単語や「AUTOMATIC FRU.」の一節も登場したり
「IKIGIRE」の原曲「GO GO BABY」などが注目されるが
最も衝撃的だったのはフリクションの初期の代表曲のほとんど姿を現していたという事で
アプローチ方法は違えど基本的な部分はもうすでに出来上がり、後は削ぎ落とす作業を残すのみといった印象。
「CRAZY DREAM」では後に「DUMB NUMB LIVE」ヴァージョンでのリフがブリッジに登場したり
「せなかのコード」はテレヴィジョンを意識したレックのギターも聴けて興味深い。
そういえば「オマエはオレのテレヴィジョン」という歌詞もこれで納得がいく。
「I CAN TELL」がファンクだったのには驚いたがファンクもフリクションの重要なファクターなのは
レック自身も何かの雑誌で語っていたように明白であったがここまで素直なファンクだとは思いもよらなかった。
これはやはりヒゴヒロシの巧さに起因するが、上手いが故にパンク色が無く
偶然とはいえミラーズ期にベースを捨てていたのは正解だったと言えよう。
通して聴くとレックはすでにレックとして完成していて
その時代への呼応の仕方に若干の変化がある程度でほとんど一貫して変わっていない。
しかし表面的にフリクション=パンクを臨むよりも
もっと根源的な部分感じ取れば心意気の手応えがあるはず。
そして、こういった作品が限定ではなく
コンスタントにカタログ上にあって
いつでも買えるという状況が素晴らしいですね。
(WRITTEN BY 渡部徹 2007.11)
※無断転載禁止